新着情報 / お知らせ

『雑草はなぜそこに生えているのか』 稲垣 栄洋 ちくまプリマー新書
「抜いても抜いても生えてくる、粘(ねば)り強くてしぶとい」というイメージのある雑草(ざっそう)だが、実はとても弱い植物だ。それゆえに生き残りをかけた驚くべき戦略をもっている。厳しい自然界を生きていくそのたくましさの秘密を紹介する。
*粘り強い=よくがんばる
*戦略=戦争に勝つための総合的・長期的な計略。
『古今著聞集』 橘 成季 新潮社
*橘成季(たちばなのなりすえ)=鎌倉時代中期の文学者。従五位上。右衛門尉(うえもんのじょう)。大隅守(おおすみのかみ)、伊賀守(いがのかみ)などを歴任。建長6 (1254)年に著わした説話集『古今著聞集 (ここんちょもんじゅう) 』によって知られる。
*従五位=律令制の位階(いかい)の一つ。
**位階=基本的には地位、身分の序列、等級。
*守=もともとは7世紀半ば以降の律令制において成立した国司(朝廷に任命されその国の政務にあたる官吏=役人のこと)の職名。
室町時代以降は名前ばかりの官位(官職=官吏の職のこと、位階の総称)として、公家や武士の身分、栄誉の表示にすぎなくなり、明治維新まで続いた。
『となりの脳世界』 村田 沙耶香 朝日新聞出版
デビューから現在まで各紙誌(しし)に書いてきたエッセイを一冊にまとめた決定版。
小さな頃の思い出から、影響を受けた本や音楽、旅先での出来事、今まで気づかなかった勘違(かんちが)いに、コンビニバイトのこと。Twitterで話題の『「走らせている人」たち』も収録!
*紙誌=新聞・雑誌などの総称。
『読書の価値』 森 博嗣 NHK出版新書
なんでも検索(けんさく)できる時代だ。娯楽(ごらく)だって山のように溢(あふ)れている。それでも、本を読むことでしか得られないものがある―。著作発行累計(るいけい)1600万部を誇る人気作家が、並外(なみはず)れた発想力とアウトプットを下支(したざさ)えする、読書の極意(ごくい)を明らかにする。本選びで大事にすべきただ一つの原則とは?「つまらない本」はどう読むべきか?きれいごと抜きに読書という行為の本質を突く、唯一無二(ゆいいつむに)の一冊!
*娯楽=仕事や勉学の余暇にする遊びや楽しみ。また、楽しませること。
*溢れる=いっぱいになって、こぼれる。こぼれるほどたくさんはいっている。
*累計=部分ごとの小計を順次に加えて合計を出すこと。また、その合計。
*並外れる=普通の程度や状態とかなりに違っている。
*下支え=他者や他派の運動を支持・応援すること。
*極意=学問や技芸で、核心(=物事の中心となる大切なところ)となる事柄。
*きれいごと=表面だけを立派にとりつくろうこと。
*唯一無二=ただ一つあって、二つとないこと。
『日本の古典をよむ(15) 宇治拾遺物語・十訓抄』より「十訓抄」 小学館
日本の古典文学のベストセラーが現代語訳と原文でよめる『日本の古典をよむ』シリーズ第5回配本。読んでびっくり!の面白い説話の宝庫『宇治拾遺物語』と、教科書で作品名は習うけれど、現代語訳がほとんどなかった『十訓抄』をお届けします。 誰もが知ってる「こぶとり爺(じい)さん」「雀(すずめ)の恩返し」「わらしべ長者(ちょうじゃ)」や、芥川龍之介作「鼻」の話が『宇治拾遺物語』に出てくることをご存じですか?滑稽話(こっけいばなし)はもちろんのこと、奇矯(ききょう)な話、猟奇的(りょうきてき)な話まで、まさに説話のオンパレード!『十訓抄』は、人生の機微(きび)に満ちた処世訓(しょせいくん)がつまっていて、昔も今も人というものが変わらないことを、しみじみと教えてくれます。
*滑稽=笑いの対象となる、おもしろいこと。おどけたこと。また、そのさま。
*奇矯=言動が普通と違っていること。また、そのさま。
*猟奇的=奇怪なもの、異常なものを捜し求めるさまや、奇怪・異常な気持ちを満足させるさま。「猟奇的な事件/犯罪/人」など
*機微=表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむき(=味わい。おもしろみ)や事情。
*処世訓=生きてゆく上で役立つ教え。
『言語コミュニケーションの四つの要素』 文化庁HP
コミュニケーションやコミュニケーションに関する力については、大きな期待が寄せられてきた
一方で様々な捉(とら)え方やイメージがあり、常に通用する正解がない。当報告では、情報や考え、気持ちを伝え合って共通理解を深める働き、「分かり合うためのコミュニケーション」に焦点化(しょうてんか)。
*捉える=物事の本質・内容などを理解して自分のものとする。把握する。
*焦点=人々の関心や注意が集まるところ。また、物事の中心となるところ。
『唐詩選』より「次北固山下」 王湾 岩波文庫
*王湾=中国、盛唐の詩人。洛陽 (らくよう:河南省) の人。字は不詳。
**不詳=詳しくわからないこと。
『沙石集』 無住一円 岩波文庫
*無住一円=鎌倉時代後期の臨済宗の僧。字(あざな)は道鏡 (暁) 。無住は号。梶原景時の一族という。
**字=
(1)成年後、実名のほかにつける別名。
(2)文人・学者などが、本名以外につける別名。
**号=学者・文人・画家などが本名のほかに用いる名。
『曙に咲く』 蜂谷 涼 柏艪舎
津軽の商家に生まれた鶴は、教育熱心な両親と双子(ふたご)の兄とともに何不自由なく暮らしていた。やがて戊辰(ぼしん)の役が終わり、母を病で失った鶴は北海道に渡る決心をする。外国人技術者や政府の要人(ようじん)向けの、七重村郊外の峠下ホテルで働きはじめた鶴は、そこで開拓使御雇農業方(かいたくしおかかえのうぎょうがた)のアメリカ人エドウィン・ダンと知り合う。互いに惹(ひ)かれ合い結婚し一児をもうけるも、そんな二人に向けられる世間の目は冷たかった。時代の荒波に翻弄(ほんろう)されながらも一途(いちず)な想いを貫いた一人の女性の物語。
*戊辰の役=明治維新期、倒幕派と幕府派との間の一連の戦い。
*要人=社会に重大な影響が及ぶ立場や要職に就いている人物。
*開拓史=明治2年(1869)、北海道・サハリン(樺太)の開拓のために設けられた機関。米国人ケプロンほか多数の外国人の指導で各種の開発事業を行った。明治15年(1882)廃止。
*惹かれあう=互いに互いの魅力に惹きつけられるさまのこと。
*翻弄=思うままにもてあそぶこと。手玉にとること。
*一途=一つのことだけに打ち込むこと。ひたむきなさま。
『動的平衡2 生命は自由になれるのか』 福岡 伸一 小学館新書
生命の本質は、自己複製(じこふくせい)ではなく、絶え間のない流れ、すなわち動的平衡(どうてきへいこう)にある。鮮やか(あざやか)に喝破(かっぱ)した前著から2年。生物学の新しい潮流(ちょうりゅう)エピジェネティクスは、ダーウィン進化論の旧弊(きゅうへい)を打ち破るか。動物を動物たらしめた必須アミノ酸の意味とは? 美は動的平衡にこそ宿り、遺伝子は生命に対して、自由であれと命じている。さらなる深化(しんか)を遂(と)げた福岡生命理論の決定版がついに登場。
*自己複製=細胞やウイルスなどが、自身の複製をつくり出すこと。
*動的平衡=反応が停止した状態にあるのではなく、正方向と逆方向の反応速度が等しくなったため、見かけ上は反応が停止したように見えること。
*鮮やか=動作・技術が巧(たく)みで、胸のすくほど見事なさま。
*喝破=堂々と論じて(人の気づかない、隠したがる)真理を明らかにすること。また、非を大声でしかること。
*潮流=時勢の動き。時代の傾向。
*エピジェネティクス=DNAの配列変化によらない遺伝子発現を制御・伝達するシステムおよびその学術分野のこと。
*旧弊=古い習慣・制度などの弊害(へいがい)。
*深化=物事の程度が、深まること。また、深めること。
*遂げる=目的を達する。果たす。なしおえる。
『新選書を語る』より「芸術学からみた『書』」 竹内 敏雄 二玄社
“書”から人生が薫(かお)る。各界著名文化人による味わい深い珠玉(しゅぎょく)のエッセー集。好評を博した『書を語る』全五冊から精選(せいせん)し、装(よそお)いも新たに登場。手習い記あり、芸術観ありの書道談義。作家、画家、俳優、学者等、現代文化人の人生が垣間(かいま)見える。各界著名文化人による味わい深い珠玉のエッセー集。
*薫る=いいにおいがする。香気をはなつ。
*珠玉=美しいもの、りっぱなもののたとえ。特に、詩文などのすぐれたものを賞していう。
*精選=多くの中から良いものをよりすぐること。えりぬき。
*装い=身なりや外観を整えること。美しく飾ること。また、その姿。
*談義=自由に考えを述べ合い議論すること。
*垣間見る=事態・物事のわずかな面を知る。
『きのふはけふの物語』 講談社学術文庫
江戸初期の咄本(はなしぼん)。2巻。作者未詳(ふしょう)。寛永年間(1624~1644)の成立か。武将や公卿(くぎょう)の逸話(いつわ)などの小咄(こばなし)を収める。
*咄本=笑話(わらいばなし)や小咄を集めた本。
**小咄=笑わせる目的のちょっとした話をさし,落語の〈まくら〉などに使われる笑話(笑い話)をいう。
*公卿=公(こう)と卿(けい)の総称。公は太政大臣・左大臣・右大臣、卿は大納言・中納言・参議および三位以上の朝官をいう。
*逸話=世間にあまり知られていない、興味のある話。エピソード。
『ベスト・エッセイ 2015』より「羯諦羯諦波羅羯諦」 ピーター・バナード 光村図書出版
2014年に新聞などに発表された数多くのエッセイの中から、読み応(ごた)えのある74編を厳選(げんせん)しました。2014年を振り返ることができる、多彩な執筆陣(しっぴつじん)による珠玉(しゅぎょく)のエッセイをどうぞご堪能ください。
*エッセイ=自由な形式で、気軽に自分の意見などを述べた(散)文。随筆
*読み応え=読むことによって得られる充実感。読むだけの価値。
*厳選=厳重な基準によって選ぶこと。
*執筆=文章を書くこと。
『ホモ・ルーデンス』 ヨハン・ホイジンガ 中公文庫
「人間は遊ぶ存在である」。人間のもろもろのはたらき、生活行為の本質、人間存在の根源的な様態は何かとの問いに、二十世紀最大の文化史家が確信した結論がここにある。遊戯(ゆうぎ)が人間活動の本質であり、文化を生み出す根源だとする人間観。遊戯は生活維持を求める生物学的活動を超え、生活に意味を与えるものであると主張される。
*様態=もののあり方や、行動のありさまのこと。
*根源=物事がそこから出発している、おおもと。
*遊戯=楽しんで遊ぶこと。遊びごと。
『梁塵秘抄』 後白河上皇 ワイド版岩波文庫
*後白河上皇=[1127~1192]第77代天皇。在位1155~1158。鳥羽天皇の第4皇子。二条天皇に譲位後、5代三十余年にわたって院政を行い、王朝権力の復興・強化に専念した。
『われわれはどこへ行くのか?』 松井 孝典 ちくまプリマー新書
われわれとは何か?文明とは?環境とは?生命とは?宇宙の始まりから人類の運命まで、壮大(そうだい)なスケールの、地球学的人間論。
*壮大=さかんで(大きくて)立派なこと。
『はじめてみよう 言語学』 佐久間 淳一 研究社
言語学の本というと、「難しそう」「言ってることがわからない」「知らない外国語を出されて読む気にならない」などと、とっつきにくいイメージを持ちがちです。そんな、言葉に関心はあるけど、言語学の本は難しすぎると思っている方にこそお勧(すす)めしたいのが本書。言葉をめぐる先生と生徒の会話を読むだけで、知らず知らずのうちに言語学の面白さを体感できます。読みやすくわかりやすいのに、言語学のことがどんどん頭に入る、ありそうでなかった待望の入門書です。
*言語学=ヒトが使用する言語の構造や意味を科学的に研究する学問。
*とっつきにくい=着手(ちゃくしゅ)しにくい。 親しみがもてない。 付き合いづらい。
**着手=仕事に手をつけること。とりかかること。
*待望=それが起こることを待ち望むこと。早く起これと待つこと。
『ふしぎなことば ことばのふしぎ』 池上 嘉彦 ちくまプリマーブックス
子どもの詩や広告コピーを使ってやさしくひもとくことばのふしぎ。ふだんは内容ばかりが気になっていることばも、ふとしたきっかけでふしぎなすがたを現してくる。
*ひもとく=書物を読む。ひもどく。
『ものづきあい』 中川 ちえ アノニマ・スタジオ
毎日何気なく使うもの。ティータイムや、お出かけの靴(くつ)、ただなんとなく置いておきたいがらくた・・・。ものとの出会いや思い出を大切に考えると、そのむこうに人がみえる。「私の好きなもの」を作った人は、きっと「私の好きな人」になる。辞書にはのっていない「ものづきあい」という言葉には、そんな実感がこめられています。人気エッセイスト・中川ちえさんの等身大(とうしんだい)の暮らしをいとおしむ本です。
*がらくた=使い道や値うちのなくなった雑多な品物や道具類。
*等身大=飾(かざ)ったり、おとしめたりしていない、ありのままの姿。
**飾る=表面をよく見せる。
**おとしめる=劣(おと)ったものと軽蔑(けいべつ)する。見下す。
*いとおしむ=かわいいと思う。かわいがる。
『火の科学エネルギー・神・鉄から錬金術まで』 西野 順也 築地書館
人類の発展は、火とともにあった。古来、山火事や天災により起こった火は採暖(さいだん)や調理に利用され、いつしか人の力の及ばない神に重なり、土器や鉄など暮らしに欠かせない道具を生み出す糧(かて)となった。なかでも鉱物資源の利用は、農業やエネルギー生産など多方面での発展を促進した。
しかし現代において、人口の増加やそれに伴う莫大(ばくだい)なエネルギー需要が、地球環境の悪化を招いている。先史時代から現代まで、文明を支えた火の恩恵に触れ、未来を見据(みす)えた利用を考える。
*採暖=暖をとること。温熱で体を暖めること。
*糧=食糧。食物。
*莫大=程度や数量がきわめて大きいさま。
*見据える=本質・真相などを見定める。
『古今著聞集』 橘成季 新潮社
*橘成季(たちばなのなりすえ)=鎌倉時代中期の文学者。従五位上。右衛門尉(うえもんのじょう)。大隅守(おおすみのかみ)、伊賀守(いがのかみ)などを歴任。建長6 (1254)年に著わした説話集『古今著聞集 (ここんちょもんじゅう) 』によって知られる。
『だしの神秘』 伏木亨 朝日新書
日本の風土と職人の誇り(ほこり)が極(きわ)めた「千年の一滴(いってき)」。昆布と鰹節(かつおぶし)で丹念に引いただしのあの深い深いうま味の正体は。日本人の旺盛(おうせい)な探求心のもと積み重ねた食材の選択、独特の加工技術―長い年月の末に完成された、神秘(しんぴ)のだしを堪能(たんのう)する。「確実に料亭レベルのだしを引ける」とっておきのレシピも公開。
*誇り=誇る(=自慢する)こと。みずからそれを名誉とする(感情)。
*極める=これより先はないというところまで行き着く。
*旺盛=活力や意欲が非常に盛んな様子。
*堪能=十分に満足すること。
『日本人とリズム感』 樋口桂子 青土社
「あなたはリズム感が悪すぎる!」突きつけられた衝撃(しょうげき)の一言。どうしてリズム感が悪いのか。そんな素朴(そぼく)な疑問からはじまったリズムの謎をめぐる冒険は、文学・絵画・歴史・文化・風土などあらゆるジャンルを横断して、西洋とはまったく違う日本独自のリズムの正体を明らかにしていく―。リズムをめぐる謎から描き出される、おどろきと発見の日本文化論。
*衝撃=意外な出来事などによって強く心を揺り動かされること。また、その心の動き。ショック。
*素朴=考え方などが単純で、深い検討を経ていないこと。
『日本随筆大成 折々草 難波江』より「折々草」 建部綾足 吉川弘文館
春の部十四章、夏の部八章、秋の部六章、冬の部六章の四季別の構成であり、それぞれ独立した物語。
*建部綾足=[1719年~1774年]江戸中期の読本(よみほん)作者・俳人・国学者・画家。津軽弘前の人。本名、喜多村久域(きたむらひさむら)。
『インコの謎 言語学習能力、フルカラーの視覚、二足歩行、種属を超えた人間との類似点が多いわけ』
細川 博昭 誠文堂新光社
現在、大人気のインコ。インコのことをもっと深く理解したいと思い、人間とインコがなぜ似ているのか、どこが似ていてどこが違っているのか詳しく知りたいと思っても、その答えが書かれた本はこれまで存在していませんでした。本書はそういったインコに関する謎(なぞ)を科学的にやさしく詳しく解説した本です。指紋(しもん)・掌紋(しょうもん)がある、言語学習能力がある、視覚中心の生活、フルカラーの視覚など、行動面・心理面・肉体面共に人間と似ているところをピックアップし、なぜ似ているのかを科学的に解説。また、大きく違っている部分、つばさ、呼吸のシステムなど、進化の過程にもふれつつ解明していきます。
*掌紋=手のひら全体にある皮膚(ひふ)の隆起線(りゅうきせん)。指紋同様に全ての人に不同(ふどう)で一生変わらない。
**不同=同じでないこと。また、そのさま。
*解明=ときあかすこと。(不明な点を)はっきりさせること。
『空を飛べるのはなぜか もっと高く、より遠くへ!人と生き物たちの“飛ぶ”秘密に迫る』
秋本 俊二 サイエンス・アイ新書
空を見上げると、そこには実に「不思議」な世界が広がっている。飛行機はどうして飛べるのか?スイスイと空を渡っていく鳥とは何が同じで、何が違うのだろうか?闇(やみ)にひそむコウモリ、草間(くさま)の昆虫(こんちゅう)、ふわふわしたタンポポの綿毛(わたげ)、色とりどりの熱気球、宇宙を目指すロケット、近年話題のドローン…。さまざまな「飛ぶもの」の仕組みや秘密に迫る(せまる)1冊。
*闇=光の無い状態のこと。
*草間=草むらの中。草ぶかい中。
*迫る=ある状態に近づく。
『ことばの発達の謎を解く』 今井 むつみ ちくまプリマー新書
単語も文法も知らない赤ちゃんが、なぜ母語(ぼご)を使いこなせるようになるのか。ことばの意味とは何か、思考の道具としてどのように身につけていくのか。子どもを対象にした実験の結果をひもとき、発達心理学・認知科学(にんちかがく)の視点から考えていく。
*母語=ある人が幼児期に周囲の人が話すのを聞いて自然に習い覚えた最初の言語。
*思考=まわりの事態(=成り行き)に応じて課題を解決して行く過程。
*認知科学=人間の知覚、記憶、思考などの知的機能のしくみを、心理学や計算機科学などのさまざまな分野の視点から研究する科学。
『枕草子』 清少納言 岩波文庫
*清少納言=平安中期の女流文学者。本名未詳(みしょう)。父は清原元輔(きよはらのもとすけ)、曽祖父(そうそふ)は深養父(ふかやぶ)。正暦4年(993)ごろから一条天皇の中宮(ちゅうぐう)定子(ていし)に仕え、和漢の学才をもって寵(ちょう)を受けた。随筆「枕草子」、家集「清少納言集」など。生没年未詳。
*未詳=まだ詳しく知れていないこと。
*寵=特別にかわいがること。また、非常に気に入られること。
『さくらいろの季節』 蒼沼 洋人 ポプラ社
十二歳。教室は、ときに戦場(せんじょう)になる。痛くて切れそうで、ヒリヒリで、意味不明。でも―これがいまの、そのままの、わたしたちだ。少女たちのむきだしの日々を描く、「第四回ポプラズッコケ文学新人賞」大賞受賞作品。
*戦場=戦闘(せんとう)が行われる場所。戦地。
『知の体力』 永田 和宏 新潮新書
「答えは必ずある」などと思ってはいけない。“勉強”で染みついた呪縛(じゅばく)を解くことが、「知の体力」に目覚める第一歩になる。「質問からすべては始まる」「孤独(こどく)になる時間を持て」「自分で自分を評価しない」「言葉にできないことの大切さとは」―。細胞(さいぼう)生物学者にして日本を代表する歌人(かじん)でもある著者が、これから学ぶ人、一生学び続けたい人たちにやさしく語りかける。自力で生きぬくための本物の「知」の鍛錬(たんれん)法。
*呪縛=まじないをかけて動けないようにすること。また、心理的に人の自由を奪うこと。
*歌人=和歌を詠(よ)む人。また、それを職業とする人。
*鍛錬=きびしい訓練や修養を積んで、技芸や心身を強くきたえること。
『新編日本古典文学全集 64』より「一休ばなし」 小学館
仮名草子。1668年(寛文8)刊。4巻。編著者未詳。一休和尚の逸話集で、序文に《狂雲集(きょううんしゅ)》を俗解(ぞっかい)したと断っているが、あまり関係はない。一休の幼少のころのとんちばなしに始まって、蜷川(になかわ)新右衛門との交遊、関の地蔵に小便をかける話、タコを食う話など46話がある。笑話本として歓迎され、また《一休関東咄》《二休(じきゆう)咄》のごとき模倣書も作られた。一休の伝説化に果たした役割は大きい。
*俗解=通俗(だれにもわかりやすいこと。)的な解釈をすること。また、その内容。