新着情報 / お知らせ

『更級日記』 菅原孝標女(すがわら の たかすえ の むすめ) 講談社学術文庫
平安時代中ごろに書かれた回想録。作者は菅原道真(ふじわら の みちざね)の5世孫にあたる菅原孝標(ふじわら の たかすえ)の次女。
『列子』 列子 岩波文庫
中国戦国時代の鄭(てい)の圃田(はたけだ)の哲学者列禦寇(れつぎょこう)の尊称(そんしょう)だが、一般的には、列禦寇の著書とされる道家の文献を指す。別名を『冲虚至徳真経(ちゅうきょしとくしんきょう)』ともいう。
『元気が出る俳句』 倉阪 鬼一郎 幻冬舎新書
世界最短の詩文学・俳句(はいく)。これがハリ治療(ちりょう)のハリのように心や精神の凝(こ)りやよどみをほぐしてくれます。気に入った句があっても無理に憶(おぼ)える必要はありません。なんだか心に力が湧(わ)かないとき、ほっこりしたいとき、癒(いや)されたいとき、打ちのめされたとき、夢見る気分に浸(ひた)りたいとき、誰かにそっと背中を押されたいとき……ここで紹介される総数1000を超える俳句の中に、きっと言葉のハリが向こうからあなたの心に突(つ)き刺(さ)さる一句があります。
*凝り=筋肉がかたくなってその部分が重く感じられること。
*憶える=見聞きした事柄を心にとどめる。記憶する。
*癒す=病気や傷をなおす。苦痛や飢(う)えなどをなおしたりやわらげたりする。
*浸る=ある状態や心境にはいりきる。
『「おいしさ」の科学 素材の秘密・味わいを生み出す技術』 佐藤 成美 講談社
焼き色がつくと、なぜおいしいのか?とろりとした食感は、どんな化学変化?なぜ魚の赤身と白身で、切る厚さをかえるのか?アルコールがないのに、酔(よ)いここちになるとは?おいしい天ぷらはなぜサクサクしている?ハンバーグはこねるとなぜおいしくなる?脂肪(しぼう)と糖(とう)はなぜおいしい?最近の冷凍食品がおいしいのはなぜか?塩鮭(しおざけ)にはコーヒーがよく合う!?分子レベルで解明(かいめい)された、おいしさのメカニズム。身近な食に関する疑問(ぎもん)が、科学でわかる。
*酔いここち=酒に酔ったときの快(こころよ)い気分。 また、物事にうっとりとした気分。
*解明=ときあかすこと。(不明な点を)はっきりさせること。
『知の体力』 永田 和宏 新潮新書
「答えは必ずある」などと思ってはいけない。“勉強”で染みついた呪縛(じゅばく)を解くことが、「知の体力」に目覚める第一歩になる。「質問からすべては始まる」「孤独(こどく)になる時間を持て」「自分で自分を評価しない」「言葉にできないことの大切さとは」―。細胞(さいぼう)生物学者にして日本を代表する歌人(かじん)でもある著者が、これから学ぶ人、一生学び続けたい人たちにやさしく語りかける。自力で生きぬくための本物の「知」の鍛錬(たんれん)法。
*呪縛=まじないをかけて動けないようにすること。また、心理的に人の自由を奪うこと。
*歌人=和歌を詠(よ)む人。また、それを職業とする人。
*鍛錬=きびしい訓練や修養を積んで、技芸や心身を強くきたえること。
『よろこびの歌』 宮下 奈都 実業之日本社文庫
著名(ちょめい)なヴァイオリニストの娘で、声楽(せいがく)を志(こころざ)す御木元玲は、音大附属高校の受験に失敗、新設女子高の普通科に進む。挫折感(ざせつかん)から同級生との交わりを拒(こば)み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。しかし、校内合唱コンクールを機に、頑(かたく)なだった玲の心に変化が生まれる―。見えない未来に惑(まど)う少女たちが、歌をきっかけに心を通わせ、成長する姿を美しく紡(つむ)ぎ出した傑作(けっさく)。
*著名=世間に名が知られていること。また、そのさま。
*声楽=人声を中心とした音楽。
*志す=ある事をしようと思い定める。心の中に立てた目的・目標に向かって進もうと決心する。
*挫折=仕事や計画などが、中途で失敗しだめになること。また、そのために意欲・気力をなくすこと。
*拒む=相手の要求・依頼などをはねつける。受け入れをかたく断る。拒否する。
*頑な=意地を張って自分の主張や態度を変えないさま。頑固。
*惑う=どうしたらよいか判断に苦しむ。
*紡ぎ出す=あたかも綿(めん)から綿糸(めんし)を紡ぐように、細やかな作業によって言葉や作品を形にしていくこと
*傑作=作品が非常にすぐれたできばえであること。また、その作品。
『新書漢文大系21 世説新語』 劉義慶/撰 明治書院
夏休みも終わり、残暑は厳しいながら朝晩は過ごしやすくなり、秋めいてきました。
秋は穏やかな気候であり、過ごしやすく、何をするにも良い季節ですね。
・読書の秋
・スポーツの秋
・食欲の秋(「味覚の秋」などという言葉もありますね。)
・芸術の秋
などという言葉を耳にしたことがあると思いますが、
皆さんは「何の秋」にしたいですか?
私たちDr.関塾 新川1丁目校がお勧めするのは、
ズバリ「読書の秋」&「勉強の秋」です!
◎読書の秋…Dr.関塾 新川1丁目校では、
『2019年度 全国公立高校入試 国語出典一覧』を作成しました。
興味がある本を見つけ、秋の夜長を読書で過ごしてみましょう。
(ただ、あまり無我夢中になり過ぎて夜更かししないように注意してください。)
◎勉強の秋…Dr.関塾 新川1丁目校では、
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秋以降の勉強に備えましょう。
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◆対 象◆ 小学生 中学生 高校生 ※初めての方に限ります
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◆学 費◆ 教材費として1,000円(税込)かかります
◆時間割◆ 月曜日~土曜日
①15:20~16:50 ②17:00~18:30
③18:40~20:10 ④20:20~21:50
◆コース◆ 生徒2名 対 講師1名の体験コース
◆内 容◆ 事前に科目・単元をご相談の上、授業を行ないます。
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『まなざしのデザイン 〈世界の見方〉を変える方法』 ハナムラ チカヒロ NTT出版
『まなざしのデザイン』というタイトルの本書で考えてみたいことは、モノの見方を変える方法である。当たり前の世界を改めて見直し、今見ている風景を違った角度から眺(なが)める。見方が自由になれば、私たちはより創造的(そうぞうてき)になることができる。そして何かに捉(とら)われることが少なくなれば、物事がより正しく見えてくる。またモノの見方を変えることは、状況が困難であればあるほど必要なことである。私たちは日々の生活の中ですぐに何かに捉われてしまう。モノの見方が固定されてしまうと自由さを失い、物事が正しく見えないことがある。だから私たちは時々視点を変えて異なる方法で世界を見ることが必要である。そうするとこれまで見えなかった風景や、忘れていた大切なことが見えてくるかもしれない。そんなモノの見方を解放するための方法と可能性を探ることが本書の目的である。
*捉われる=
(1)つかまえられる。とらえられる。
(2)固定した価値観や考え方などに拘束される。
『読書からはじまる』 長田 弘 NHKライブラリー
本は親しい友人。本はだいじな記憶(きおく)の扉。本は言葉を紡(つむ)ぎ、世界を身近にとりもどす一つの装置。そして本は人生の比喩(ひゆ)。すべては「読書からはじまる」…。読書の未来を見つめる詩人・長田弘の“書き下ろし”エッセー。
*記憶=
(1)経験した物事を心の中にとどめ、忘れずに覚えていること。また、覚えている事柄。
(2)経験したことを覚えこんで保持しておき、のちに過去の経験として再生する働き、また、その内容。
(3)コンピューターの記憶装置に必要な情報を一定期間保存しておくこと。
*紡ぐ=
(1)綿や繭(まゆ)を錘(つむ)にかけて繊維(せんい)を引き出し、縒(よ)りをかけて糸にする。
(2)言葉をつなげて文章を作る。多く、物語や詩歌などを作ることをいう。
⇒この度の本文にあります「本は言葉を紡(つむ)ぎ、」は、(2)の意味で使われています。
(1)について、特に調べなくてもかかる人もいると思いますが、頭に「?」が浮かぶ人は、興味があれば、調べてみてください。
*比喩=ある物事を、類似(るいじ)または関係する他の物事を借りて表現すること。たとえ。
*書き下ろし=小説・論文・戯曲(ぎきょく)などを新たに書くこと。また、その文章。特に、雑誌・新聞などに載せずはじめから単行本として出したり、上演するために書かれたものをいう。
『新日本古典文学大系 67・68 近世歌文集 上下』より「初学考鑑」 武者小路 実陰 岩波書店
『ぼくたちはきっとすごい大人になる』より「シュルッセル」 有吉 玉青 光文社文庫
大きらいな幼なじみに、なぜだかときめくカンナ。教室で浮いた存在の不良にあこがれる和馬。親友の家庭事情を知った千里。音楽教師に心を寄せる哲平。母の愛人に恋する愛。クラスメートの死を受け止める三人の男の子。さまざまな状況に、真っ直ぐ本音でぶつかっていく子供たち。大人になって失ってしまった感覚を、鋭(するど)く冷静な視点で浮かび上がらせる六編。
*ときめく=喜びや期待などのために、胸がどきどきする。
『雑草はなぜそこに生えているのか』 稲垣 栄洋 ちくまプリマー新書
「抜(ぬ)いても抜いても生えてくる、粘(ねば)り強くてしぶとい」というイメージのある雑草(ざっそう)だが、実はとても弱い植物だ。それゆえに生き残りをかけた驚くべき戦略(せんりゃく)をもっている。厳しい自然界を生きていくそのたくましさの秘密を紹介する。
*戦略=
(1)戦争に勝つための総合的・長期的な計略。
(2)組織などを運営していくについて、将来を見通しての方策。
『新編日本古典文学全集 64』より「浮世物語」 浅井 了意 小学館
『願いながら、祈りながら』 乾 ルカ 徳間文庫
まるで時の女神(めがみ)が回収し忘れたようだ。北の大地の片隅(かたすみ)に、ぽつんとたたずむ中学校分校には、一年生四人と三年生一人が学んでいた。たった五人でも、自称霊感(れいかん)少女もいれば、嘘(うそ)つきな少年もいる。そこに赴任(ふにん)してきたのは、まったくやる気のない若い教師。けれど、やがて彼が知ることになる少年の嘘の痛ましい理由とは?ときには悩み、傷つきながらも、成長していく五人の、胸を打つ青春前期物語。
*赴任=任地におもむくこと。
**任地=仕事のために居住(住むこと)する土地のこと。
**おもむく=ある場所・方角に向かって行く。
*霊感=
(1)霊的なものを感ずる不思議な感覚。インスピレーション。
(2)神仏の不思議な感応。
*胸を打つ=強く感動させる。心を打つ。
『人生を豊かにする学び方』 汐見 稔幸 ちくまプリマー新書
目の前の勉強から少しだけ離れて考えよう!一人一人の「学び」を育てることは、偏見(へんけん)や思い込みから解放(かいほう)され、選択肢(せんたくし)を増やし、目的に応じて自分の道を選ぶためにも大切なのです。社会が急速に変化している今、学校で言われた通りに勉強するだけでは個人の「学び」は育ちません。本当の「学び」とは何か。自分の未来を自由にするための1冊。
*偏見=かたよった見方・考え方。ある集団や個人に対して、客観的な根拠なしにいだかれる非好意的な先入観や判断。
**先入観=実際の体験に先立って,ある特定の対象に対してもつ主観的価値判断。
*解放=束縛(そくばく)されたり、制限されたりしているものを、ときはなして自由にすること。
**束縛=動き・働きの自由に制限を加えること。
*選択肢=質問に対して、そこから選択して答えるように用意されている二つ以上の答え。
『新序』 劉向 明徳出版社
『新序』(しんじょ)は、前漢(ぜんかん)の劉向(りゅうきょう)による故事(こじ)・説話(せつわ)を集めた書物であり、おなじ劉向による『説苑』(ぜいえん)とよく似た内容を持っている。本来は30巻であったと考えられるが、現行本は10巻である。
*前漢=中国古代の王朝。秦(しん)の滅亡(めつぼう)後、前202年、楚(そ)の項羽(こうう)を破った漢王劉邦(りゅうほう)(高祖)が建国。都は長安。中央集権体制が確立された武帝のときに全盛期を迎えた。8年、王莽(おうもう)によって倒された。
*劉向=中国、前漢の経学者。本名、更生。字(あざな)は子政。宮中(きゅうちゅう)の書物の校訂(こうてい)・整理に当たり、書籍解題(しょせきかいだい)「別録」を作り、目録学の祖(そ)と称される。
**宮中=宮殿の中。特に、天皇の居所。
**校訂=書物の本文を、異本(いほん)と照合したり語学的に検討したりして、よりよい形に訂正すること。
***異本=同じ書物ながら普通行われている本文と、文字や語句、組立てなどに(相当の)相違のあるもの。
**解題=
(1)書物や作品の著者・成立事情・内容・体裁・出版・発表の年月、他に及ぼした影響などについて解説すること。また、その解説。開題。
(2)問題を解くこと。
**祖=
(1)ある血統・家系の初代。
(2)ある物事を始めた人。元祖。開祖。
*説苑=中国、漢代の説話集。20巻。前漢の劉向(りゅうきょう)編。成立年未詳(みしょう)。君道(くんどう)など20編からなり、それぞれ序説(じょせつ)のあとに逸話(いつわ)を収録して儒教(じゅきょう)思想を説く。
**未詳=まだはっきりしないこと。まだつまびらか(=くわしいこと。事こまかなこと。)でないこと。
**君道=君主として踏み行なうべき道
**序説=本論・本題に入る前の、前置きの論説。序論。
**逸話=世間にあまり知られていない、興味のある話。エピソード。
**儒教=古代中国に起こった、孔子の思想に基づく教え。四書五経(ししょごきょう)を経典とする。
***経典=
(1)仏の教えを記した文章・書物。経文。
(2)ある宗教で、信徒の守るべき教えを記した神聖な書。キリスト教の聖書、イスラム教のコーランなど。
『沙石集』 無住一円 岩波文庫
無類(むるい)の博識僧(はくしきそう)無住(むじゅう)が編集した、軽妙(けいみょう)な語り口による中世仏教説話集。
『沙石集』は中世を代表する仏教説話集です。編者の僧無住は、東国の出身で、関東各地で仏教修行のあと、奈良・京都周辺の諸寺で修学(しゅうがく)を重ね、真言宗(しんごんしゅう)、律宗(りっしゅう)、禅宗(ぜんしゅう)、浄土宗(じょうどしゅう)など各宗派の教義(きょうぎ)の真髄(しんずい)を学びました。また、伊勢神宮へも数年間参宮し、後半生は尾張の長母寺(ちょうぼじ)に住(じゅう)して、この地で『沙石集』ほか数編を著し、八十七歳で没しています。その経歴が示しているように、無住は仏教の一宗に偏(へん)することなく、神道(しんとう)や陰陽道(おんみょうどう)さえ取り入れて、信心(しんじん)の重要性をやさしく説いています。その無類の博識と多方面に及ぶ好奇心(こうきしん)によって集められた説話は、中世の庶民生活、修行僧(しゅぎょうそう)の実態、地方の珍しい話など多彩(たさい)で、巧(たく)みで軽妙な語り口で描かれています。後世、『徒然草』、連歌、狂言、落語などに影響が見られます。
*無類=たぐいがないこと。比べるものがないほどにすぐれていること。また、そのさま。
*博識=ひろく知識があること。また、そのさま。
*無住(無住一円)=鎌倉時代後期の臨済宗(りんざいしゅう)の僧。字は道鏡 (暁) 。無住は号。梶原景時(かじわらのかげとき)の一族という。
**臨済宗=禅宗の一派。唐の臨済義玄(りんざいぎげん)を開祖(かいそ)とし、のち黄竜派(おうりゅうは)と楊岐派(ようぎは)が立ち隆盛(りゅうせい=栄えて/繁盛して盛んなこと。)に導いた。日本には栄西(えいさい)が黄竜派の法を受けて建久2年(1191)に帰国、初めて伝えた。
**梶原景時=鎌倉前期の武将。通称、平三。石橋山の合戦で源頼朝を救い、のち、侍所(さむらいどころ)所司となった。頼朝死後、幕府に背いて討伐(とうばつ)を受け、一族とともに戦死。
*軽妙=文章・話・技などが、軽快でうまみがあること。気が利いていておもしろいこと。また、そのさま。
*修学=学問をおさめること。学んで知識を得ること。
*真言宗=中国の密教が空海によって日本に伝えられ、日本で独立して一宗として立てられたもの。
*律宗=仏教の宗派の一。戒律(かいりつ)を守り実行することを教義とする。日本へは天平勝宝(てんぴょうしょうほう)6年(754)に唐僧鑑真(がんじん)が伝えた。
*禅宗=自己の仏性(ぶっしょう)を内観(ないかん)することを目的とする仏教の一派。特に坐禅(ざぜん)を重んじることに特徴がある。
**仏性=仏としての性質。仏の本性。仏となれる可能性。
**内観=自分の意識している状況を内面的に観察すること。
*浄土宗=平安末期、法然上人源空(ほうねんしょうにんげんくう)を宗祖とする浄土教の一派。
*教義=ある宗教・宗派が真理と認めている教えの内容・体系。
*真髄=物事の最もかんじんな点。その道の奥義。
*住する=
(1)住まう。住む。
(2)ある状態に長くとどまる。
(3)執着する。かかずらう。
*偏する=考え方・感情・方法・方向などが一方にかたよる。
*神道=日本の民族信仰として伝えられた道。天照大神(あまてらすおおみかみ)を始め国家的・民族的な基礎を持つ神々を祭り、その教えを尊ぶ信仰。
*陰陽道=古代中国で生まれた自然哲学思想「陰陽五行説」を元に、日本で独自の発展を遂げた自然科学と呪術(じゅじゅつ)の体系。
**呪術=超自然的・神秘的なものの力を借りて、望む事柄を起こさせること。まじない・魔法など。
*好奇心珍しいことや未知のことなどに興味をもつ心。
*多彩=
(1)色の種類の多いこと。いろどりが多く美しいこと。また、そのさま。
(2)変化や種類が多くにぎやかなこと。また、そのさま。
*巧み=
(1)細工師・大工など、手先や道具を使って物を作る職人。工匠(こうしょう)。
(2)技巧(ぎこう)や意匠(いしょう)。
(3)美しいものを作りだす技やはたらき。
(4)はかりごと。くわだて。たくらみ
**技巧=ものを仕上げたり表現をしたりする際の、巧みに行う手腕。テクニック。
**意匠=
(1)絵画・詩文や催し物などで、工夫をめぐらすこと。
(2)美術・工芸・工業製品などで、その形・色・模様・配置などについて加える装飾上の工夫。デザイン。
『読書の価値』 森博嗣 NHK出版新書
なんでも検索(けんさく)できる時代だ。娯楽(ごらく)だって山のように溢(あふ)れている。それでも、本を読むことでしか得られないものがある―。著作発行累計(るいけい)1600万部を誇る人気作家が、並外(なみはず)れた発想力とアウトプットを下支(したざさ)えする、読書の極意(ごくい)を明らかにする。本選びで大事にすべきただ一つの原則とは?「つまらない本」はどう読むべきか?きれいごと抜きに読書という行為の本質を突く、唯一無二(ゆいいつむに)の一冊!
*娯楽=仕事や勉学の余暇にする遊びや楽しみ。また、楽しませること。
*溢れる=いっぱいになって、こぼれる。こぼれるほどたくさんはいっている。
*累計=小部分ずつの計を順々に加えて、合計を出す計算。また、それによって得た合計。
*並外れる=普通の程度や状態とかなりに違っている。
*下支え=
(1)景気や相場などがある水準以下に下がらないように支えること。
(2)他者や他派の運動を支持・応援すること。
*極意=学問や技芸で、核心となる事柄。
*きれいごと=
(1)実情にそぐわない、体裁ばかりを整えた事柄。
(2)手際よく美しく仕上げること。
*唯一無二=ただ一つあって、二つとないこと。
『身体が生み出すクリエイティブ』 諏訪正樹 ちくま新書
お笑い芸人はなぜ面白い一言を言えるか?彼ら自身も言語化できないように、お笑いは暗黙(あんもく)の身体知(しんたいち)である。プロから一般人まで、人はふとクリエイティブなことをやってのける。そのメカニズムは未解明(みかいめい)だが、身体とことばを上手に共存させて発想することが、クリエイティブの源である。日常生活において、体感(たいかん)にしかと向き合って着眼(ちゃくがん)と解釈(かいしゃく)を行い、なんでも試してみるマインドを持つことが、いまよりもクリエイティブになる秘訣(ひけつ)である。それは現在のAIにはまだとても難しいことである。
*暗黙=口に出さないで黙っていること。
*身体知=一般的に、個人的な経験により得られる言語化しにくい知識。
*体感=
(1)からだで感じること。また、からだが受ける感じ。
(2)皮膚や内臓の諸器官に加えられた刺激による感覚。暑さ・寒さ・痛み・飢え・渇き・などの感覚。
*着眼=目をつけること。また、目のつけ方。着目。
*解釈=
(1)言葉や文章の意味・内容を解きほぐして明らかにすること。また、その説明。
(2)物事や人の言動などについて、自分なりに考え理解すること。
*秘訣=人には知られていない最も効果的な方法。とっておきの手段。
『ありえないほどうるさいオルゴール店』 瀧羽麻子 幻冬舎
北の町でひっそりと営業しているオルゴール店では、風変(ふうが)わりな主人が、「お客様の心に流れる曲」を小さな箱に仕立ててくれます。耳の聞こえない少年。音楽の夢をあきらめたバンド少女。不仲(ふなか)だった父の法事で帰郷した男性。長年連れ添(そ)った妻が倒れ、途方(とほう)に暮れる老人。彼らの心には、どんな音楽が流れているのでしょうか―。
*風変わり=様子や性質などが普通と変わっている・こと(さま)。
*オルゴール=小曲を自動的に演奏する装置を小箱などに組み込んだもの。表面に針を植えつけた円筒や円盤がぜんまい仕掛けなどで回転し、順次その針が音階板に触れて音を出す。
*不仲=仲がよくないこと。また、そのさま。
*連れ添う=夫婦になる。夫婦としていっしょに暮らしている。連れ合う。
*途方=
(1)多くの方向。向かう方向。
(2)てだて。方法。手段。
(3)すじみち。道理。
*途方に暮れる=方法がなくてどうしようもない。どうしたらよいか手段が思いつかずまよう。途方を失う。
『雑草が教えてくれた日本文化史』 稲垣 栄洋 エイアンドエフ
目からウロコの視点を提示!
日本人の勤勉さや協調性を稲作から説くことが、半ば(なかば)常識となっている。
しかし、イネを育てるのに、勤勉さや協調性は不可欠なものではない。
それよりも雑草から読み解く方が、日本人の様々な気質を理解するのに都合がいい。
目からウロコの視点を続々提示。
*目からウロコ(目から鱗が落ちる)=何かがきっかけになって、急に物事の実態などがよく見え、理解できるようになるたとえ。
『科学 2003年12月号』より「自然科学者の誕生」 河合 隼雄 岩波書店
巻頭言は、こちらをご覧ください。
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/KaKa200312.html
『枕草子』 岩波文庫
冷静で細やかな観察、才気煥発(さいきかんぱつ)な筆致(ひっち)によって、わが国随筆文学を代表する一書として、本書はあまりにも有名である。一段一段の文章から、平安時代の生活と感覚の具体相(ぐたいそう)を、万華鏡(まんげきょう)を見るようにうかがい知ることができ、また筆者と中宮定子(ちゅうぐうていし)との美しい魂(たましい)の触れあいが、この草子の文学的香気(こうき)をいっそう高めている。
*才気煥発=すぐれた才能が外に表れ出る・こと(さま)。
*筆致=書画や文章の書きぶり。筆のおもむき。筆つき。
*相=仏教用語。特徴、特質、様相、形相という意味。
*万華鏡=円筒の中にガラス板を三角柱に組み合わせ、色ガラス・セルロイド・色紙などの小片を入れ、回しながらのぞく玩具。
*中宮(藤原)定子=一条天皇の皇后。道隆の娘。永祚(えいそ)2 (990) 年女御(にょうご)となり,同年中宮。天皇の寵愛(ちょうあい)厚く,栄華をきわめた生活は,清少納言の『枕草子』によって知られる。
**女御=昔の、中宮(ちゅうぐう)の次に位する高い身分の女官。
**寵愛=(上の立場の者が)特別にかわいがること。
『和漢朗詠集』より「殷協律(いんけいりつ)に寄す」 白 居易 角川ソフィア文庫
平安時代中期の才人、藤原公任(ふじわらのきんとう)が編纂(へんさん)、漢詩句と和歌を融合させたユニークな詞華集(しかしゅう)。春・夏・秋・冬の四季の景物(けいぶつ)からなる上巻、風・雲・晴・暁・鶴・猿・管弦ほか48題からなる下巻。日本文学に大きな影響を与えた、漢詩句588と和歌216首の全作品に、現代語訳・注釈・解説を付載(ふさい)。編者公任がどのように詩句や和歌を選択・配列し、主題を表現したかという文学作品としての読み方も懇切(こんせつ)に示す。平安貴族の文化にふれる必読の古典。
*編纂=いろいろの材料を集め、整理・加筆などして書物にまとめること。
*詞華集=いろいろな詩人・作家の詩や文を、ある基準で選び集めた本。また、同一詩人・作家の選集。
*景物=
(1)四季折々の趣のある事物。自然の風物。連歌・俳諧(はいかい)では、特に、花・ほととぎす・月・雪などをいう。
(2)その場に興を添えるもの。珍しい芸や衣装・料理など。
(3)景品。
(4)連歌・俳諧(はいかい)で、点取りのときの賞品。
**俳諧=
(1)発句(ほっく)(=俳句)・連句の総称。
(2)「俳諧連歌」の略。普通の連歌に対して、こっけいを旨(むね)とした連歌
*付載=本文に付け加えて掲載すること。
*懇切=
(1)細かいところまで心が行き届いて親切なこと。また、そのさま。
(2)強く願い求めること。また、そのさま。
『種まく人』 若松 英輔 亜紀書房
通勤途上の橋の上に住む初老(しょろう)の男性が亡くなった。そこにはだれとはなしに、大きな花が飾られ、さまざまな捧(ささ)げものが次々と置かれていった…。日常のなかで出会う「言葉なき人々」に思いを寄せる、25のエッセイと詩。
*初老=老人の域にはいりかけた年ごろ。また、もと、四十歳の異称。
*捧げもの=神仏や目上の人にささげるもの。
『茨木のり子詩集』より「言いたくない言葉」 茨木 のり子 岩波文庫
青春を戦争の渦中(かちゅう)に過ごした若い女性の、くやしさと未来への夢。スパッと歯切れのいい言葉が断言的に出てくる、主張のある詩、論理の詩。素直な表現で、人を励(はげ)まし奮(ふる)い立たせてくれる、“現代詩の長女”茨木のり子のエッセンス。
*論理=議論の筋道・筋立て。比喩的に、物事の法則的なつながり。
*渦中=
(1)水のうずまく中。
(2)ごたごたした事件の中。もめ事などの中心。
『図書 2018年6月号』より「上手い、おもしろい」 齋藤 亜矢 岩波書店
齋藤 亜矢氏は、京都造形芸術大学の准教授です。
ご興味がある方は、「齋藤 亜矢」と検索してみてください。
『天翔(あまが)ける』 葉室 麟 KADOKAWA
◎天翔ける=神や人などの霊魂が空を飛び走る。
文久3年(1863)。北陸の要・越前福井藩の家中(かちゅう)は異様(いよう)な緊迫感(きんぱくかん)に包まれていた。京の尊攘派(そんじょうは)激徒(げきと)を鎮(しず)めるべく、兵を挙げて上洛(じょうらく)すべきか否(いな)か。重大な決断を迫られた前藩主・松平春嶽(まつだいらしゅんがく)が思案(しあん)をしている折、幕府の軍艦奉行(ぐんかんぶぎょう)並・勝海舟の使いが来ているとの報(しら)せがあった。使いは浪人体(ろうにんてい)のむさくるしい男だという。名は、坂本龍馬。彼の依頼を即決した上で、上洛についての意見を聞いた春嶽は―。旧幕府にあって政権を担当し、新政府にあっても中枢(ちゅうすう)の要職に就(つ)いた唯一(ゆいいつ)の男、松平春嶽。日本を守るため、激動(げきどう)の時代を駆け抜けた春嶽の生涯(しょうがい)を描いた歴史長編!
*家中=江戸時代、藩の家臣の総称。大名の所領を領分といい、大名の家臣を家中といった。
*異様=ようすが普通でないさま。変わっているさま。
*緊迫感=状況などが、非常に差し迫っていること。緊張して、今にも事が起こりそうなこと。
*尊攘派=君主を尊び、外敵をしりぞけようとする思想。
*激徒=はげしい行動を起こす者。
*鎮める=
(1)人の声や物音がしないようにさせる。
(2)物事の勢いを弱くさせる。
(3)騒乱をおさめて世の中を落ち着いた状態にする。
(4)怒りや不安で乱れた心を落ち着かせる。
(5)神を鎮座させる。
**鎮座=
(1)神霊が一定の場所にしずまっていること。
(2)人や物がどっしりと場所を占めていることを、多少揶揄(やゆ=からかうこと。)の気持ちを込めていう語。
*上洛=地方から京都へ行くこと。
*思案=いろいろと考えること。
*軍艦奉行
1859年(安政6)2月、場所高2000石、諸大夫場として設けられ、初代永井尚志(なおむね)以来16名が就任。
同年9月設置の軍艦奉行並(高1000石、布衣場。初代木村喜毅)とともに、軍艦操練所を管理し、61年(文久1)7月の軍艦頭取(船将)と軍艦組(士官)の新設後はその統督も任とした。
*浪人=中世・近世、主家を自ら去ったり、あるいは失ったりした武士。
*体(てい)=
(1)外から見た有り様。様子。
(2)みせかけの様子。体裁(ていさい)。
(3)名詞などの下に付いて接尾語的に用いられ、…のようなもの、…ふぜいなどの意を表す。
*中枢=中心となる大切なところ。重要な部分。
『和歌威徳物語』 古典文庫
江戸時代の説話集。編者未詳(みしょう)。1689年刊行。和歌集や説話集などから101の歌徳説話(かとくせつわ)を集め、神徳(しんとく)・君恩(くんおん)・人愛(にんあい)に分類して記す。
*未詳=まだはっきりしないこと。まだ詳しく知れていないこと。
*歌徳説話=和歌説話のうち、登場人物が和歌を詠むことによって神仏の利益を得る説話のこと。広義には、神仏だけではなく、歌によって何らかの利益を得る説話をもいう
**説話=話。物語。特に、語り伝えられた神話・伝説・民話など。
*神徳=神の功徳(くどく)。神の人間に加える力。
**功徳=現世・来世に幸福をもたらすもとになる善行。
*君恩=主君から受けた恩。君主のめぐみ。
*人愛=人との交わり。人づきあい。