新着情報 / お知らせ

『新日本古典文学大系 32』 より 「江談抄」 大江匡房 岩波書店
公の席での振舞い方、食事のマナーから漢詩文の知識まで、王朝の貴族に要求される教養は多岐に渉っていた。老人は逸話を混えて熱心に語り続ける。質問し、筆記する若きエリートたち。平安時代末期の政治を動かし、文学を主導してきた老人たちの座談の中に、書物からは窺えない貴族社会の姿が生き生きと立ち現れる。
『大人になるためのリベラルアーツ』 石井洋二郎/藤垣裕子 東京大学出版会
本当の「教養」とはなにか?「絶対に人を殺してはいけないか」「真理は1つか」など、簡単に答えの出ない問題と格闘し、異なる専門や価値観をもつ他者との対話をとおして真の「大人」になるための思考力を鍛える。東京大学による新しい教養教育の試み。
『ちばてつやが語る「ちばてつや」』 ちばてつや 集英社新書
『あしたのジョー』『おれは鉄兵』『のたり松太郎』『あした天気になあれ』など数々のヒット作で知られる漫画界の巨人が、自らの「作品」一つ一つに込めた熱い思いを、執筆当時の制作秘話を交えて初めて綴った。『ジョー』の中で一番描くのが難しかったキャラクターは誰か。『鉄平』の主人公の身長がだんだん小さくなっていったのはなぜか。あの名作の知られざるエピソードが満載の一冊。
『共感の人間学・序説』 山崎広光 晃洋書房
本書の第Ⅰ部では共感の概念を検討し、第Ⅱ部では、近代初期のヨーロッパ思想史から共感の思想を取り出し、第Ⅲ部は人間と社会への共感論的理解、および人間存在の共感論的分析に進むこと、いわば共感の人間学が私たちの課題であり、その考察である。
『襷を、君に。』 蓮見恭子 光文社
熱くて、泣ける! 疾走する女子高生たちの絆を描いた、青春駅伝小説!
圧倒的な才能を持ちながら、周囲の期待に押し潰され、陸上をやめてしまった瑞希。
瑞希の美しい走りに魅せられ、陸上を始めた歩。
二人の奇跡的な出会いが、新たな風を紡ぎだす!
少女たちの葛藤と成長を描く、胸を熱くさせる駅伝小説!
『動物を守りたい君へ』 高槻成紀 岩波ジュニア新書
人がよかれと思ってすることは本当にペットのためになっているのだろうか。家畜の命をいただくということはどういうことだろう。また、野生動物を絶滅から守るにはどうしたらよいのか。さまざまな動物たちとともに生きていくために、生き物のつながりを見つけ、動物の立場から、地球の立場から考える目を養おう。
『沙石集』 無住一円 岩波文庫
『沙石集』は中世を代表する仏教説話集です。編者の僧無住は、東国の出身で、関東各地で仏教修行のあと、奈良・京都周辺の諸寺で修学を重ね、真言宗、律宗、禅宗、浄土宗など各宗派の教義の真髄を学びました。また、伊勢神宮へも数年間参宮し、後半生は尾張の長母寺に住して、この地で『沙石集』ほか数編を著し、八十七歳で没しています。その経歴が示しているように、無住は仏教の一宗に偏することなく、神道や陰陽道さえ取り入れて、信心の重要性をやさしく説いています。その無類の博識と多方面に及ぶ好奇心によって集められた説話は、中世の庶民生活、修行僧の実態、地方の珍しい話など多彩で、巧みで軽妙な語り口で描かれています。後世、『徒然草』、連歌、狂言、落語などに影響が見られます。
『コミュニケーション力』 齋藤孝 岩波新書
豊かな会話、クリエイティブな議論は、どのようにして成り立つのか。話の流れをつかむ「文脈力」や基盤としての身体の重要性を強調しつつ、生きいきとしたコミュニケーションの可能性を考える。メモとマッピング、頷きと相槌、会議運営のコツなど実践的な技から、弁証法的な対話の喜び、沈黙それ自体の意味など深い考察まで、縦横に展開。
『明治秀句』 山口青邨 春秋社
近代俳句の創建者、特に子規・虚子・碧梧桐・鳴雪・漱石・紅葉・竹冷の七家を選び自在に鑑賞。今日の俳句の源流に迫る労作。俳壇の一流作家が鑑賞する名著の復刊。
『知的生産の技術』 梅棹忠夫 岩波新書
学校では知識は教えるけれど知識の獲得のしかたはあまり教えてくれない。メモのとり方、カードの利用法、原稿の書き方など基本的技術の訓練不足が研究能力の低下をもたらすと考える著者は、長年にわたる模索の体験と共同討論の中から確信をえて、創造的な知的生産を行なうための実践的技術についての提案を試みる。
『学びとは何か 探究人になるために』 今井むつみ 岩波新書
「学び」とは、あくなき探究のプロセスだ。たんなる知識の習得でなく、新しい知識を生み出す「発見と創造」こそ本質なのだ。本書は認知科学の視点から、生きた知識の学びについて考える。古い知識観──知識のドネルケバブ・モデル──を脱却し、自ら学ぶ力を呼び起こす、画期的な一冊。
『日本語 表と裏』 森本哲郎 新潮文庫
「大半の人が…」と言う時、あなたは何割の人を思い浮べていますか?中国語では大半は九割、多半が七割、一半が五割、そして小半が四割と、ちゃんと決っているそうです。それではだいたいは?物事をなるべくはっきり表現しようとする他の言語と違い、日本語は、あいまいさをむしろ良しとしているようです。何気なく使っている言葉を通して、日本的性格とは何かを考えてみましょう。
『五感の哲学』 加藤博子 ベスト新書
世界をよく見て聴いて嗅いで味わって触れてみることが、私たちが死の床まで携えてゆくことのできる至福のよろこびを構築してくれるでしょう。五感の哲学という試みは、ものごとをただ抽象的に考えるのではなく、自分の身体感覚を敏感にして、まずは身体全体で世界から降り注ぐシャワーを感じてみることです。この一度きりの人生を豊かに生き切って、この世を味わい尽くして、あの世に旅立つ道を辿ることが、本書のテーマです。
『襷を、君に。』 蓮見恭子 光文社
全国中学校駅伝大会―中学3年生の庄野瑞希は大会記録を更新する走りでチームを逆転優勝に導く。しかし、周囲の期待に押し潰され、走る意味を見失った瑞希は、陸上をやめるつもりでいた。一方、福岡・門司港で、倉本歩はテレビの中の瑞希の美しく力強い走りに魅せられる。「あの子のように走りたい」その一心で新進気鋭の港ケ丘高校陸上部に入部するが、部員は歩よりはるかに速い選手ばかりで―。二人の奇跡的な出会いが、新たな風を紡ぎだす!スポーツ小説を多く手掛けてきた著者が少女たちの葛藤と成長を描く、胸を熱くさせる青春小説!
『グーグルマップの社会学』 松岡慧祐 光文社新書
グーグルマップによって、わたしたちの世界は本当に広がったのか?社会は、よく見えるようになったのか?新進気鋭の社会学者による、新しい地図論!
『清兵衛と瓢箪・網走まで』 より 「或る朝」 志賀直哉 新潮文庫
『自然再生』 鷲谷いづみ 中公新書
二十世紀後半、人類は多量の資源を消費し、廃棄物を自然界にまき散らすライフスタイルをエスカレートさせた。そのため自然の多様性は失われ、固有種の絶滅、異常気象の発生など、多大な影響が地球規模で発生している。環境を改変する力を持つ唯一の生物であるヒトは、今こそ、持続可能な生態系を再生させるために叡智を結集しなければならない。里山再生や淡水生態系の復活など、自然再生の思想と方法をやさしく解説する。
『宇治拾遺物語・十訓抄』 より 「十訓抄」 小学館
『人が死なない防災』 片田敏孝 集英社新書
「生存率99・8%」を現出した防災論の全貌!
東日本大震災で大津波に襲われた釜石では、小中学生が主体的避難行動で自らの命を守った。震災前から釜石で画期的な「防災教育」を行ってきた著者が、災害と対峙し生き抜く術を徹底公開。
『自然災害からいのちを守る科学』 川手新一・平田大二 岩波ジュニア新書
地震,津波,火山噴火,集中豪雨,豪雪,台風,竜巻…….これらの自然現象が山崩れや地滑り,液状化,火砕流,洪水,雪崩などの自然災害を引き起こす.なぜ日本にはこんなにも自然災害が多いのだろう? 学校で教えてくれないそのメカニズムを知り,自分の住む地域の防災・減災を考える.自分の判断でいのちを守ることができるようになる!
『ロードムービー』 辻村深月 講談社文庫
運動神経抜群で学校の人気者のトシと気弱で友達の少ないワタル。小学五年生の彼らはある日、家出を決意する。きっかけは新学期。組替えで親しくなった二人がクラスから孤立し始めたことだった。「大丈夫、きっとうまくいく」(「ロードムービー」)。いつか見たあの校舎へ、懐かしさを刺激する表題作他、4編。
『ゾウの時間ネズミの時間』 本川達雄 中公新書
動物のサイズが違うと機敏さが違い、寿命が違い、総じて時間の流れる速さが違ってくる。行動圏も生息密度も、サイズと一定の関係がある。ところが一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は、サイズによらず同じなのである。本書はサイズからの発想によって動物のデザインを発見し、その動物のよって立つ論理を人間に理解可能なものにする新しい生物学入門書であり、かつ人類の将来に貴重なヒントを提供する。
八王子東・青山:『芸術学事始め』 小林道憲 中公叢書
人間の芸術は自然の再現であるとはいえ、単なる自然の模倣ではない。人間は、自然の造形が持つ均衡や調和、リズムや運動という自然の造形を形象化しながら、本質を抽出しようとする。自然の動と静、あらゆる形から本質を取りだし、抽象化するのである。ところが現代芸術は、抽象を推し進めるあまり、自然から離反してしまった。二一世紀の芸術はどこに向かうのだろうか
戸山:『芸術人類学』 中沢新一 みすず書房
人類に発生した「心」の起源に迫る野生のサイエンス。人文諸学の再構築を目的とした芸術と人類学の創造的な融合。前人未到の表現空間が今、ここに拓かれる。
立川:『「自由」はいかに可能か』 苫野一徳 NHKブックス
「自由」の実感なくして、「幸福」はない。
では、どうすれば「自由」を実感できるか?
「どう生きようがあなたの自由だ」と言われて育った私たちは今、自由なんかないとか、自由よりも安定が大事とか、自らに言い聞かせて生きている。本当にそう言えるのか。これまで無数の議論が交わされてきた「自由」を、ヘーゲルをもとに真正面から考え直し、自由を実現できる社会の「条件」を問う。気鋭の哲学者による書き下ろし。