新着情報 / お知らせ

『何のために「学ぶ」のか』より「「賢くある」ということ」 鷲田清一 ちくまプリマ―新書
大事なのは知識じゃない。正解のない問いに直面したときに、考え続けるための知恵である。変化の激しい時代を生きる若い人たちへ、学びの達人たちが語る、心に響くメッセージ。
『リーチ先生』 原田マハ 集英社
日本の美を愛し続けた英国人陶芸家、バーナード・リーチ。明治42年、22歳で芸術の道を志して来日。柳宗悦、濱田庄司ら若き日本人芸術家との邂逅と友情が彼の人生を大きく突き動かしていく。明治、大正、昭和にわたり東洋と西洋の架け橋となった生涯を描く感動の“アートフィクション”
『花月草紙』 松平定信 岩波文庫
8代将軍吉宗の孫として生まれた。白河の松平家を継いで天明の凶作に自藩の難局を克服したのち、田沼意次失脚後の老中首座として寛政の改革に大いに腕をふるった楽翁松平定信の随筆集である。政界隠退後、自適の生活であって、その60年にわたる体験と信念を、あるいは花によそえ、あるいは月になぞらえて、心をこめ1句1句ものにした述作。
『うひ山ぶみ』 本居宣長 講談社学術文庫
国学の大偉人が弟子に教えた学問の要諦とは 「からごころ」を排して「やまとたましい」を堅持することで、真実の「いにしえの道」へと至ることが学問の道である。契沖に始まる国学の目的と方法を説く入門書。
『ナイスキャッチ!』 横沢彰 新日本出版社
美術部の部員は二人。放課後の静かな美術室が安らぎだった―はずなのに…!?こころは中学一年生。スケッチしていたところへ飛んできた野球のボールを、思わず両手でキャッチ!木下こころ、野球部、入りますっ!新しい野球ストーリーが始まる!
『情動の哲学入門』 信原幸弘 勁草書房
情動はときに誤り、害をもたらす。やはり理性に従って行動すべきなのか。理性的に生きることが幸福な生につながるのか。実はそうではない。情動こそが状況に相応しい行動を生み出すのであり、理性は情動の働きを調整しているというのが本当のところである。情動に着目することで新たな展開を見せる心の哲学の最前線。
『歴史とはなにか』 岡田英弘 文春新書
世界には「歴史のある文明」と「歴史のない文明」がある。日本文明は「反中国」をアイデンティティとして生まれた。世界は一定の方向に発展しているのではない。筋道のない世界に筋道のある物語を与えるのが歴史だ。「国家」「国民」「国語」といった概念は、わずかこの一、二世紀の間に生まれたものにすぎない…などなど、一見突飛なようでいて、実は本質を鋭くついた歴史の見方・捉え方。目からウロコの落ちるような、雄大かつ刺激的な論考である。
『窓の向こうのガーシュウィン』 宮下奈都 集英社文庫
周囲にうまく馴染めず、欠落感を抱えたまま十九年間を過ごしてきた私は、ヘルパーとして訪れた横江先生の家で、思い出の品に額をつける“額装家”の男性と出会う。他人と交わらずひっそりと生きてきた私だったが、「しあわせな景色を切り取る」という彼の言葉に惹かれて、額装の仕事を手伝うようになり―。不器用で素直な女の子が人の温かさに触れ、心を溶かされてゆく成長ものがたり。
『サルの子育て ヒトの子育て』 中道正之 角川新書
赤ん坊が母にしがみつく行動は霊長類が生き残るためにとても大事な行動であり、能力である。進化の隣人を通して、いま、私たちの親子関係を考えよう。サル研究40年、日本霊長類学会会長による子育て、抱っこ論。
『つぼみ』 宮下奈都 光文社
話題作『スコーレ№4』の主人公麻子の妹・紗英、叔母・和歌子、父の元恋人・美奈子。それぞれがひたむきに花と向き合い葛藤するスピンオフ三編。(「手を挙げて」「まだまだ、」「あのひとの娘」)弟の晴彦は、高校を中退し勤めた会社もすぐに辞めて、アルバイトを転々とした後大検を受け、やっぱり働くと宣言して、いつもふらふらひらひらしている。不器用な弟と振り回される姉。そんな二人には、離婚した両親がまったく違って見えていた。(「晴れた日に生まれたこども」)どこかへ向かおうともがいている若き主人公たちの、みずみずしい世界のはじまり。凜としてたおやかに、6つのこれからの物語。
『慎思録』 貝原益軒 講談社学術文庫
なぜ人は学ばねばならないのか。人はどう生きるべきか。益軒の豊富な人生経験を踏まえて書き綴られた本書『慎思録』は、説得力に富み、味わい深い。人生の岐路に立たされたとき、そして、よりよく生きるために人は何をなすべきかを懇切丁寧に説く。今日の日本人がわすれがちな正義・信義・真実・正直・誠実など、現代にも通じる二百四十二の生き方を、原文と口語訳で平易に解説した実践的教訓書。
『あざみ野高校女子送球部!』 小瀬木麻美 ポプラ社
中学時代の苦い経験から、もう二度とチーム競技はやらないと心に誓っていた端野凛。 しかし高校入学後、つい本気で臨んだ体力測定で、ハンドボール投げの女子学校記録を叩き出してしまう。 その噂を聞きつけたハンドボール部顧問・成瀬はなんとか凛をチームに引き入れようと画策、成瀬の思惑どおり、凛はハンドボールを始めることになる。 ハンドボールに魅せられ、チームメイトたちと奮闘しながら成長する高校生たちの姿を鮮やかに描いた青春スポーツ小説。
『モラルの起源 実験社会科学からの問い』 亀田達也 岩波書店
群れで生きるための心の働きを、進化的に獲得してきたヒト。しかし、異なるモラルをもつ人々を含む大集団で生きる現代、仲間という境界線を越えて、人類が平和で安定した社会をつくるにはどうすればよいのか。心理学などの様々な実験をもとに、文系・理系の枠を飛び越え、人の社会を支える心のしくみを探る意欲作。
『読んで楽しむ百人一首』 吉海直人 KADOKAWA
日本で一番親しまれている古典「百人一首」。「どら焼」「竜田揚げ」「小倉餡」……これらの食べ物は、百人一首の歌が由来。角度を変えて眺めてみれば、まだまだ新しい発見があることを明らかにする。
『あなたの弱さは幸せのちからになる』 神津十月 海竜社
生きることは切ないときも気弱になるときもある。思いやりのつもりが思い上がりだったり、やさしさのつもりが押しつけだったり、でも、つまずき、挫折、失敗は人生を知り、一歩成長するためのステップなのです。
『光圀伝』 冲方丁 角川書店
何故この世に歴史が必要なのか。生涯を賭した「大日本史」の編纂という大事業。大切な者の命を奪ってまでも突き進まねばならなかった、孤高の虎・水戸光圀の生き様に迫る。『天地明察』に次いで放つ時代小説第二弾!
『親友記』 足立巻一 新潮社
神戸の街の片隅で、文学に目覚め、詩歌を志し、人生へのささやかな夢を抱きはじめた少年たち。周囲には戦争への暗雲がたちこめ、言論弾圧の嵐は無名の僕らにまで襲いかかった──。我が昭和、友によって支えられ、友と共に築いた愛しき我が人生。
『俳句と暮らす』 小川軽舟 中央公論新社
花鳥風月を詠む優雅な趣味の世界というイメージのある俳句。
だが、平凡な日常の小さな発見を、折に触れ書き留められるところにこそ俳句の魅力がある。本書では、俳人にして単身赴任中のサラリーマンでもある著者が、「飯を作る」「会社で働く」「妻に会う」など日常のさまざまな場面を切り取りつつ、俳句とともに暮らす生活を提案。俳句は平凡な日常をかけがえのない記憶として残してくれる。
『リーチ先生』 原田マハ 集英社
日本の美を愛し続けた英国人陶芸家、バーナード・リーチ。明治42年、22歳で芸術の道を志して来日。柳宗悦、濱田庄司ら若き日本人芸術家との邂逅と友情が彼の人生を大きく突き動かしていく。明治、大正、昭和にわたり東洋と西洋の架け橋となった生涯を描く感動の“アートフィクション”
『徒然草』 兼好法師 角川ソフィア文庫
日本人にもっとも親しまれてきた随筆『徒然草』。人生・恋愛・政道・自然観・美意識・有職故実など、243段の話題がしばしば連想的な配列で並ぶ。無常観が流れ、尚古的な思想が著しいが、実益をもたらす技能を尊重するなど、中世の現実を見据えた視点もあわせ持っている。
『明治ガールズ 富岡製糸場で青春を』 藤井清美 KADOKAWA
江戸から明治に時代が移ってすぐのこと。松代藩の中級武士だった横田家の娘・英は困惑していた。降って湧いた縁談を前に、身分違いの幼なじみへの淡い想いが、胸にある。一方、区長を務める英の父もまた、困惑していた。富岡にできる最新の製糸場のため、工女を集めねばならないのだ。その話を聞いた英は、縁談を先延ばしにするために、つい言ってしまう。「わたし、富岡製糸場に参ろうと思います」そして英の言葉をきっかけに、少女たちが集まって…。初めての長旅、共同生活、そして仕事。あの時代、あの場所で生きた少女たちの、瑞々しい青春記録。
『はじめての哲学的思考』 苫野一徳 筑摩書房
なぜ人を殺してはならないの?生きる意味とは何だろう?人生の問いから社会の難問まで力強く「解き明かす」哲学の考え方を知ろう。
『小辞譚 辞書をめぐる10の掌編小説』より「辞書に描かれたもの」 澤西祐典 猿江商會
詩人、小説家、女優、落語家、写真家、批評家……。異なる10の才能が描いた〝辞書と言葉と想い〟の小さな物語。
『中動態の世界 意志と責任の考古学』 國分功一郎 医学書院
自傷患者は言った「切ったのか、切らされたのかわからない。気づいたら切れていた」。依存症当事者はため息をついた「世間の人とは喋っている言葉が違うのよね」
--当事者の切実な思いはなぜうまく語れないのか? 語る言葉がないのか? それ以前に、私たちの思考を条件付けている「文法」の問題なのか?
若き哲学者による《する》と《される》の外側の世界への旅はこうして始まった。ケア論に新たな地平を切り開く画期的論考。
『歴史に未来を観る』より「漢詩は人生の教科書」 陳舜臣・著/石川忠久・述 集英社
『漱石の漢詩』 和田利男 文藝春秋
元来僕は漢学が好きで随分興味を有つて漢籍は沢山読んだものである―少年期から漢籍に親しんだ漱石は、英文学でなく漢文学で身を立てようとまで考えていた。その漱石漢詩をつぶさに吟味しつつ、杜甫や李白など唐代の漢詩人の影響を考える。吉川幸次郎の漱石研究に先んじた斯界の第一人者による決定版!
『デザインド・リアリティ 集合的達成の心理学』 有元典文・岡部大介 北樹出版
私たちの生きる現実の世界はどのようにつくられ、そしてつくられつつあるのか。文化的につくられる世界を身近な切り口から柔軟に鮮やかに論じる。文化心理学の立場から世界とそのつながりを読み解いた好著。
『キャベツ炒めに捧ぐ』 井上荒野 ハルキ文庫 より「キュウリいろいろ」
「コロッケ」「キャベツ炒め」「豆ごはん」「鯵フライ」「白菜とリンゴとチーズと胡桃のサラダ」「ひじき煮」「茸の混ぜごはん」・・・・・・東京の私鉄沿線のささやかな商店街にある「ここ家」のお惣菜は、とびっきり美味しい。にぎやかなオーナーの江子にむっつりの麻津子と内省的な郁子、大人の事情をたっぷり抱えた3人で切り盛りしている。彼女たちの愛しい人生を、幸福な記憶を、切ない想いを、季節の食べ物とともに描いた話題作、遂に文庫化。
『排蘆小船・石上私淑言 宣長「物のあはれ」歌論』 本居 宣長 岩波書店
宝暦13年、34歳の本居宣長にはすぐれた二つの歌論があった。だが生涯公表されることなく、筺底に秘めて置かれた。当世和歌の現状に対し歌とは何かを問う処女作「排蘆小船」、そこでの〈心に思ふこと〉は「石上私淑言」で〈物のあはれをしる心〉ととらえ直され一大歌論を切り拓く。合せ鏡のごとく宣長思想を映しだす二作品を併載。
『続資治通鑑長編』 李燾